横断幕に利用される素材
・ターポリン テントなどにも利用される丈夫な素材。 耐久性が高い為、長く、繰り返し使える。 比較的重さがある。
・メッシュターポリン ターポリンにメッシュ状の細かい穴が開いている。 風の影響が強い高所へ設置する横断幕や 大型の横断幕を作る際に用いられます。 ・ソフトバナー ポリエステルと塩化ビニールで作られるソフトバナーは 軽くて持ち運びしやすく、保管にも便利です。 横断幕の四隅にはハトメ(金属のリング)が付けられており ロープを通して、柵や棒に固定するのが一般的です。 ハトメ周辺は傷みやすいので、2重に縫製されていると安心です。横断幕に最適な素材と特徴
横断幕に使われるターポリンは石油から作られたポリエステルやPVC(塩化ビニール)を基に作られています。 合成繊維であるポリエステルは熱に弱いという弱点はあるものの、 これに塩化ビニール樹脂以外のガラス繊維を加工する事で防炎や不燃に強くなります。 ポリエステルは繊維そのものの強度がありとても頑丈です。 その他にも速乾性に優れ、シワ・汚れにも強く、光沢感があります。 塩化ビニールの特徴としては、ビニール袋をイメージすると脆い感じが漂いますが、 実はとても強度が高く、電気絶縁性や難燃性に優れ、安価であり着色がしやすいという 素晴らしい特徴を持ち合わせています。 弱点としては、難燃性はあるものの耐熱性が著しく狭く、高温に晒すと緩くなってしまい、衝撃にも弱い点があります。 横断幕に使われるターポリン生地とはこうした優れた繊維の良いところを反映させた素材です。 英語では「Tarpaulin」と書き、意味は〜防水帆布・防水麻布〜を指します。 横断幕を数ヶ月間使用し続けても問題なく固定しておくことができ、 埃による汚れや、風によるシワにも強いため、水に濡らしたスポンジでこすれば汚れは落ち、 布を引いたアイロンをあてればシワも消えます。 横断幕の寿命は概ね4年ぐらいと言われています。
横断幕の作成
試合会場の応援では横断幕が目立ちます。 応援の手段は声援を含めいろいろありますが、昔から横断幕(応援幕)が多く使われています。 また、応援にご自分で作成した横断幕を使いたい人もいらっしゃるかと思いますので こちらの項目では、ご自身で横断幕を作成する方法をご紹介しております。 横断幕を作る為には道具の準備が欠かすことができません。 一般的な紐で固定するタイプの横断幕を作成する方法を紹介します。 ※ご自身で材料や工具をご用意するよりも、当社にご注文頂いたほうが料金はお安くなる場合が多いです。 (1)横断幕の生地 (2)紐と固定するための金具 (3)塗料と塗るための道具 横断幕を作るのにこれらの道具が必要になりますが、全てホームセンターなどで購入することができます。 横断幕の生地は自由に選択したいかもしれませんが塗料を使う関係上、 レース生地やカラフルまたは光沢感が高い生地、シルク生地などは不向きです。 横断幕の生地が決まったら次に紐と金具ですが、横断幕に塗料を使う前にこの作業が先になります。 横断幕の大きさにも寄りますが、4m未満なら角の4ヵ所に穴を開けてハトメで開けた穴を広がらないように止めます。 サイズが大きい場合には穴を開ける場所を増やしたり、横断幕の端っこを折り返して縫い付ければ強度を増すことができます。 紐の種類は切れることが無い太さと結ぶことができる長さがあれば十分なので、横断幕を固定する場所に合わせてください。 横断幕に穴開けが済んだら色塗りになりますが、塗料はいろいろな種類があります。 その中でも布に使う事ができればどれを選んでも問題はありません。 塗料を扱う注意事項としては、塗料缶からは直接しようせずに、ポリバケツなどの容器に移してから使用することです。 水性なら溶剤を使用する手間が省け、軽い喚起で使用する事ができ、容器やハケの後片付けも水道水で直接洗えるので簡単です。 横断幕に文字を入れ終えたら、二日間は乾燥に時間がかかってしまいます。 なるべく、扇風機やドライヤーなどの送風で時間を早めるのは避けましょう。 塗料が風に押されて寄ってしまうとダマのようになってしまいます。 なるべく水平の場所にダンボールなどを引いて自然に乾燥させましょう。 これで横断幕の完成になりますが、外で使う場合は防水のコーティングをしましょう。 スプレータイプで一回噴射して乾いたらもう一度噴射することで横断幕全体に万遍なく防水コーティングを施すことができます。 洗濯したり、時間経過で防水性能が低下してしまうので、横断幕を使う度に吹き付ければ確りとコーティングできます。 横断幕の作成が上手にできるか心配な人は、横断幕に使う同様の布を小さめに用意し、 色塗り練習をしておくと、本番でも感覚が掴みやすいと思います。
横断幕の取り付けとロープの結び方
横断幕の取付け方は大きく分類すると二通りに分類されます。 ひとつは両端張りの方法です。 横断幕の左右に棒を縫い付け、四隅をロープで固定します。 風の影響で横断幕が寄るのを防いだり、ハトメ加工せずに設置する事もできます。 もう一つの方法はハトメだけで固定する方法です。 ハトメの数を増やすと風の影響に強くなる特徴を持っていますが、その分ロープで止める手間も増えてしまいます。 ハトメは90cmぐらいの間隔が目安となりますが、横断幕の長さが概ね2m未満なら途中のハトメが無くても固定できます。 ロープの結び方は何種類もありますが、フェンスや壁面に結びつけるための「ふた結び」は強度が高くとても簡単です。 結びつけたい場所へ、同じ方向からこぶ結びを二度繰り返したものをふた結びと言います。 二度繰り返さないと強度が弱く、簡単に外れてしまうので注意してください。 二度繰り返した状態は強度が飛躍的に増し、人が力強く引っ張っても簡単に外れることはありません。 この結び方は利便性が高く、横断幕にロープを縫い付けた場合も有効です。
横断幕を目立たせるポイント
横断幕は安全のためや規則によって使用上の制限が付いてしまう場合もありますが、なるべく目立たせることが大切です。 例えば交通安全の横断幕が、小さいサイズだったり、物陰に被っていたら横断幕が目立っておらず効果が低い状態になってしまいます。 そうならないためにも、三つのポイントを横断幕に活かしましょう。 ・一つはなるべく大きなサイズで掲出することです。 設置する場所によってサイズの上限が定まってしまいますが大きいサイズは目立ちます。 ・二つ目は横断幕の掲出場所です。 建物の影に隠れない場所、少し見上げるぐらいの高さに掲出すると目立ちます。 屋内なら風の影響がないので、天井からロープを長く用いて空中に吊す方法もあります。 ・三つ目は横断幕に使う色です。 横断幕に使う色と設置場所の背景が同色系の場合は保護色となってしまい、横断幕が目立ちにくくなってしまいます。 これ以外にも、横断幕に写真や挿絵を加えたり、夜間でも目立つように蛍光反射テープを横断幕に貼ったりすればより横断幕を目立たせることができます。
横断幕がもたらしてくれるもの
横断幕の存在は昔からあるものですから、決して珍しいものではありません。 しかしIT時代に於いてもイベント会場の案内やお店の宣伝など、さまざまなかたちで存在感を発揮してくれます。 ひとつひとつ個性溢れる横断幕はイベントを盛り上げたり、あるいは臨場感を演出してくれます。 デジタルで生み出された電光掲示板や電光看板は夜間に強いメリットはありますが、水に弱かったり、電気の供給がなければ使えなくなってしまいます。 横断幕は雨の中でも支障を来すことはなく、電気の供給も必要としません。 そればかりか昔に比べて耐水性、耐火性、難燃性、絶縁性、防汚性、速乾性など、いろいろな機能が付与されて飛躍的に機能が向上しました。 基本的な姿形が変わらぬ横断幕が今でも使われているのは、コストパフォーマンスや利便性だけなく、昔ながらの趣だったり、あるいは伝統的な社会の習慣としても表現されているのではないでしょうか。
横断幕のさまざまな制作方法
かつての横断幕は紙媒体で原稿を仕上げ、それを基に「染め抜き」で制作されるのが主体でした。 しかし、コストパフォーマンスが高い事やパソコンが普及した近年では、染め抜きをする業者が減少してしまいました。 パソコンソフトによる原稿作成は個人でも行えるようになり、パソコンで作成された原稿データはプリンターとの連動相性が良く、 且つ豊富なアプリケーションにより、主流はプリンター出力へと移り変わりました。 大型サイズの横断幕には大型専用プリンターが必要になりますが、パソコン印刷用アプリケーションを利用することで、 いくつか対応している家庭用プリンターでも長尺印刷が可能になります。 溶剤系のインク耐用年数、及び耐光性能が向上したことで、ターポリン生地への出力も容易になりした。 また、ターポリン生地の場合、表面が滑らかな軟質塩ビであるため、切文字と呼ばれる切り取った文字を貼り付ける制作方法もあります。 日光に照射される部分は劣化や消耗が激しいので、部分的な貼り替えで補えるメリットがあります。 ポリエステル生地系の場合は表面が布なので、粘着性が弱く滑らかでないことから切文字以外のダイレクトプリント、 または昇華転写の二通りの方法になります。
ダイレクトプリントは、ポリエステル生地へ直接プリントを行い、熱を加えて乾燥させる方法です。 平成25年に新しい機械が開発されたこりにより、コストパフォーマンスが向上しました。 予め念入りな水洗いをしないと、若干色落ちしてしまう難点があります。 水洗いをせずに蒸し暑い場所へ放置すると、色移りする可能性があります。 直接プリントを行っているので大量生産には向いています。
昇華転写プリントは印刷した転写紙にインクが気化する200度程度の熱と圧力を加えます。 気化したインクはそのままポリエステル素材へと移り、鮮明な発色性が維持されます。 従来は圧着方式で柄が生地に乗っかっているイメージでした。 水を使わないことで汚水の排出を防ぎ、地球に優しいエコプリントでもあります。 昇華転写の特徴は色数に制限がないので、グラデーションや写真調などが美しくプリントされます。 転写紙の分散染料で生地を染めるので、凹凸感がなく、剥がれや色落ちもなく、ヒビ割れの心配もありません。 また、伸縮性も富んでいるので通気性が高く、鮮やかさが継続します。 気化させた温度が一定でないとムラが出てしまうことから大量生産には若干不向きな傾向があります。 どちらのプリント方法もインクが耐えられる温度が190度前後なので高熱には注意を払う必要があります。 横断幕は時代と共に幅広い制作方法が設けられています。